ADHD（注意欠陥・多動性障害）

ADHDは発達障害のひとつであり不注意、多動性、衝動性を特徴とする神経発達症です。子供に多く見られるイメージがありますが、大人になっても症状が続く場合も多く、生涯にわたる発達障害として認識されています。

ADHDのはっきりとした原因は判明されていませんが、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの不足、その働きを調整するシステムの不調が関係していると考えられています。ADHDは単なる性格の問題や怠慢ではなく、脳機能の差によって引き起こされるものです。

ADHDの症状

ADHDの症状は不注意、多動性、衝動性の3つの主要なカテゴリーに分類されます。これらの症状は、年齢、発達段階、個々の特性によって大きく異なり、すべての症状がすべての人に現れるわけではありません。また症状の現れ方も人それぞれで、同じADHDであってもその症状の現れ方は多様です。

<不注意>

●課題や遊びに集中して取り組むことが難しい
●指示に従うことが難しい
●整理整頓が苦手
●必要な物をよくなくす
●気が散りやすい
●話を聞いていないように見える

<多動性>

●手足をそわそわ動かす
●席に座っていられない
●不適切な状況で走り回る
●静かに遊ぶことが難しい
●常に動き回っている
●過度にしゃべる

<衝動性>

●質問が終わる前に答えてしまう
●順番を待つことができない
●他人の邪魔をする、割り込む
●衝動的に発言する
●考えずに危険な行動をとってしまう

当院のADHDの治療

<薬物療法>

ADHD治療薬により神経伝達物質のバランスを整えることで、注意力の持続や衝動性の抑制を助けます。当院ではコンサータの処方を行っております。

<心理社会的療法>

患者さん自身や周囲の人々がADHDについて理解を深め具体的な対処法を学ぶことで、日常生活における困難を軽減することを目指します。

<環境調整>

「メモを取る習慣を身につける」「勉強をする際は視覚的な刺激を減らし集中できる環境を整える」など、本人の特性に合わせた生活環境を整えます。